【オーバープロネーション(距骨下関節の過剰回内)、アブダクトリーツイスト(足底部で床をツイストする動き)】
調べると難しく説明している先生が多いですが、簡単に言うと、足が扁平足で、床を内側だったり外側だったりとツイストダンスしているような足の動きで歩いてしまうという事です。
足裏の前足部がなんとなくぼてっとしている方はこの動きを必ずしています。
一般的には、この2つの原因と足関節の背屈制限で、足裏にタコやウオノメを形成してしまうと言われています。
歩くと足裏や足趾が痛いという方、もしくは巻き爪の方もオーバープロネーション、アブダクトリーツイストの場合が多いです。
ところが臨床上では、足に何も症状がなくてもオーバープロネーション、アブダクトリーツイストをしている人はたくさんいるのです。
ここで大きく関係してくるのが足首の背屈制限です。
背屈制限とは、足部をしっかりと上に上げれない状態の事を指します。
でも、足首が硬いならストレッチをすれば柔らかくなるはずですよね?
でもなぜなかなか足首が柔らかくならないのでしょうか?
皆様にはここに気づいて欲しいです。
もしその足首の硬さを自分自身でやっているとしたら、それに気づいていないとしたら、なかなか足の硬さは改善しませんよね。
実は背屈制限はほとんどのケースが、自分自身で行なっています。
そしてその人自身も自分でやってる自覚がまったくありません。
以前は私自身も生まれつき、生活習慣だけの問題と決めつけていた時期もありました。
子供の場合、改善する事のほうが多いですが、大人の場合は上手くいかなかったり、改善してもまたすぐに元に戻ってしまう事が多く、原因を探していました。
最近では、子供達の足も大人のようになってきた感覚があります。
臨床を重ねるうちに、クライアント自身で、背屈制限をやっている事がわかりました。
医療機関のほとんどの先生はいまだに足首のストレッチをしているでしょう。
関節部の拘縮や癒着だけなら3週間ほどストレッチしていればそれなりの効果がでます。
もし出ないとしたら、患者さん本人が常にやっているので逆効果になります。
そこで足首の力が抜けない理由を探す事がポイントになってくるのです。
その力が抜けない理由とは、人によって違います。
もっと詳しく言うなら、
その人はいったい、
何を背負っているのか?
何を守っているのか?
何をこだわっているのか?
何を抱えているのか?
何を支えているのか?
何が足りないと感じているのか?
何に怯えているのか?
何に縛られ囚われているのか?
何を手放せないのか?
を気づく事です。
こんな話をすると
なら足底板を使っても効果はないの?という疑問も出てくると思います。
そんな事はありません。
しっかりと効果は出ています。
もちろん足底板次第ですが、足底板の話を少ししますね。
当院で処方している医療用の足底板は、もちろん足を良くするためのツールですので、症状が改善したと喜ばれる方もいます。
でも本当は痛みをとるものとは捉えておりません。
足底板は全ての現代人に必要なツールです。
人工的な負担には人工的なもので対処するしかありません。
当院の足底板に対する概念は
自分自身の本来の足に気づき、自分らしい自分だけの心地良い歩き方を見つけるもの
と考えております。
同じ足底板を処方している先生と私のデータの取り方ではこの概念が違うので、一手間かけています。
そうする事で結果も変わってしまうんですね。
ですから歩行やパフォーマンスは良くなっているのに、人によっては痛みが強くなったり、違う所が痛くなったりします。
これは本来の足の動きと、その人の思い描く足の動きが喧嘩するからです。
大切な足ですから、自分だけの自分らしい健幸な足に育てましょう。